この種の時計は第1次世界大戦前後に出現しており、初期の発想としては、ガラスののぞき窓と竜頭操作用のねじ込み蓋を備えた別体ケースに腕時計を入れ、ケースごとベルトで装着するものでした。これは防水性は確保できるがかさばって使いにくく、体裁も悪いものでした。
早い時期に近代的な防水構造を採用した代表例は1926年のロレックス社でした。オイスター社が開発した(ロレックス自身の開発ではない)削り出しによる一体構造の「オイスターケース」方式を導入したもので、腕時計本体のケースにねじ込み竜頭を備え、従来よりコンパクトでスマートな防水時計を実現しました。1928年にはロレックスを装着した女性がドーバー海峡横断遠泳に成功、ロレックスの防水性を広く喧伝しました。
ねじ込み式竜頭や夜光塗料を塗布した文字盤を装備し、水深100m以上の水圧に耐えられる「ダイバーズ・ウォッチ」は、1930年代に軍用向けに出現していました。潜水時間を管理する安全上の理由からも夜光防水時計は必須だったのです。イタリア・パネライ社のダイバー用大型腕時計はその初期の例ですが、本格的な普及は第二次世界大戦後でした。1943年にジャック・クストーが考案したアクアラング装置が戦後に広まり、スキューバダイビングが容易になったことが普及の契機と見られます。
参照