日本メーカーは復権をかけ、高級機械式腕時計として1960年代に名声を博した「グランドセイコー」、「キングセイコー」を復活させるなど、機械式腕時計の開発に再度力を入れるようになってきました。また、日本メーカーは最新の技術を導入した新しいタイプの腕時計も投入しています。セイコーの「キネティック」は自動巻き時計と同様にローターを内蔵し、腕の振りによって発電を行う、電池交換不要のクォーツ腕時計です。装着していない時には、省電力のため、針の動きが自動的に停止し、再び装着され振動が与えられると、それを感知して自動的に現在時刻に復帰するオートリレー機能を組み込んだ「キネティックオートリレー」、小の月だけでなくうるう年においても正しい日付を示すパーぺチュアルカレンダーの「キネティックパーぺチュアル」もある。新コンセプトの腕時計「スペクトラム」の発売も注目されています。近年、セイコーは機械式ムーブメントに、テンプの代わりにクォーツの調速機構を組み込みクォーツ時計並みの高精度を実現した「スプリングドライブ」を開発しています。
一方シチズンの「エコ・ドライブ」は光発電によって駆動します。標準電波を受信することにより、時刻を自動的に補正する電波式腕時計も発売され、2000年代に入ってから売れ行きを伸ばしています。電波時計は、基本的にはクォーツで時を刻みますが、一日に数回、原子時計で管理された標準電波を送信局から受け取り、自動的に正しい時刻に修正するため、電波を受信できる環境にあれば誤差が蓄積せずいつまでも正しい時を刻むことができます。
またカシオは、腕時計は床に落とせばたやすく壊れる、という常識に反し、2~3階から落としても壊れないという耐衝撃性能を備えたタフな腕時計、G-SHOCK(Gショック)を1983年から発売した。このGショックは、その頑丈さを買われて、過酷な状況にある湾岸戦争やイラク戦争などの戦場で兵士たちに愛用されていたといいます。
スイスの機械式腕時計も技術革新を怠っていません。老舗メーカーであるUlysse Nardinが2001年に発表した「フリーク」は新しい脱進機の導入により、潤滑油を不要としています。オメガは「コーアクシャル」と呼ばれる新機構を導入し、機械式時計の心臓部である調速機構との動力伝達を果たし、脱進機機構(アンクル爪、ガンギ歯)における摩擦の大幅な低減に成功しています。
さらに、スイスメーカーも新たなコンセプトを模索しています。例えばスウォッチは、安価なクォーツ時計に、鮮やかな色彩、有名アーティストによるデザイン、少数限定販売という付加価値を与えることでユーザーの支持を集めています。
だが、近年は電波時計機能付の携帯電話も登場しています。日本の若者にはあえて腕時計を使わない者も少なくありません。手首を見るのでなく、携帯電話をおもむろに取り出して時間を確認するという、20世紀初頭の懐中時計時代へ逆行するような現象も一般化しつつあります。今、21世紀の腕時計の展開に与える影響が注目されています。
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